犬などのペットに使う『マイクロチップ』という物をご存知でしょうか?
"犬が迷子になっても見つけられるように埋め込む小さな機械”、それが『マイクロチップ』です。
「便利だけど料金高いんじゃ?」「体は大丈夫なの?」
今回はそんな不安を解消するべく、『マイクロチップ』についての費用・値段から、メリットやデメリットまで解説します。
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犬用のマイクロチップってそもそもどんなもの?
出典:http://www.city.kyoto.lg.jp/
マイクロチップ??
あまり耳にしない飼い主さん少なくないのではないでしょうか。
マイクロチップとは、上記の写真のように直径2ミリ長さが約1.2ミリ程度のサイズで出来ている、情報識別機能を持つ器具のことです。
このマイクロチップには、その犬に関する登録番号や飼い主の情報が記載されています。
その為、マイクロチップを埋め込まれた犬に読み取り機をかざすと、登録情報が表示されて飼い主の特定に繋がります。
つまり、迷子・迷い犬になっても飼い主と再開できる確率が上がるということですね!
このマイクロチップは、犬の首辺りに特殊な注射器のような道具を使って埋め込みます。
何だか想像しただけで痛そうですよね。
しかし、犬の首辺りは皮膚が厚いので痛みはないと言われています。
犬に限らず、よくペットは親に首のうしろを咥えられて持ち上げられているのを見ませんか?
あれは一見痛そうに見えますが、上記の理由から痛みはないんですね。
※かといって首のうしろをちぎったり、下手に力を加えて良いというわけではありませんので、勘違いしないように注意して下さい。
埋め込み時は獣医師の判断によって麻酔が使われたりもしますが、注射のような感覚で行われるので、麻酔不使用が一般的です。
マイクロチップの埋め込みとAIPO(動物ID普及推進協議会)への情報登録が合わせて行われ、それらが全て完了すると正常に機能するようになります。
犬用マイクロチップの費用・価格は?
犬用のマイクロチップの気になる費用・価格はどれくらいなのでしょうか?
マイクロチップを導入する上でかかる費用は、主に2つあります。
マイクロチップの導入手術費
まずはマイクロチップを埋め込む手術費です。
これは施術する動物病院によって違いますが、およそ数千円~1万円ほどが一般的のようです。
動物の手術は保険適用外なので、基本的に高額になることが多いのですが、マイクロチップの埋め込みは基本的に注射だけで終わるので、手間も時間もかからない為に費用も安いというわけです。
マイクロチップの情報登録費
マイクロチップを埋め込んだだけではまだ終わりじゃありません。
当然ですが、そのマイクロチップが自分のものだという情報のひも付けが必要ですので、情報登録費もかかります。
これは病院では行っておらず、前述したAIPO(動物ID普及推進協議会)で行う必要があります。
こちらの登録作業は千円程度となります。
AIPOに登録情報を送り、銀行振込や郵便振替で支払いをして完了です。
場合によっては数百円で済むことも
まとめると、病院での埋め込み施術費用とAIPOでの情報登録料の2つをまとめて、およそ1万円前後といった感じです。
また、住んでいる県や市によって、マイクロチップの施術費用を軽減してくれる制度もあるようです。
その場合は施術費用が数百円で済んだという例もありますので、自分の住んでいる場所でそういった制度がないか、施術前に一度確認してみると良いでしょう。
犬用マイクロチップのメリットは?
犬用マイクロチップを導入することで得られるメリットとしては、主に以下のものがあります。
迷子犬がすぐ見付かる
やはり一番は愛犬が迷子・迷い犬になっても、見つかりやすいということです。
犬は生き物ですので、当然自分の意志で動き回ります。
見失った場所にずっと留まっていてくれれば良いのですが、そうではないので迷子・迷い犬になるわけです。
また、人間と違って言葉が話せるわけではないので、迷った際に自らの意志で親の元へ戻るのが難しいのです。
マイクロチップを導入すれば、言葉が喋れなくてもチップが代わりに飼い主の情報を示してくれるので、再び会える確率が大幅に上がります。
身元が分かるので殺処分を免れる
迷子犬になると、飼い主と会えないということだけが注目されてしまいますが、その後が過酷です。
人懐っこい犬であれば、うまく犬好きな人に見つかれば飼ってもらえたり餌をもらえたりするでしょう。
しかし、飼い主以外に警戒心がある犬だったり、犬嫌いな人に見つかると保健所に連れて行かれる可能性があります。
そして最悪の場合、殺処分という扱いになることも・・・。
もし自分の愛犬が自分の知らない場所でそんなことになっていたら、ショックで立ち直れないですよね。
マイクロチップはそういった事態を防ぐ意味でも、導入するメリットがあります。
マイクロチップのデメリットは?
さて、犬にも飼い主にとってもメリットの有るマイクロチップ。
しかし、もし導入を検討しているのであれば、以下のようなデメリットも認識しておかなければいけません。
実はデメリットが意外と多いのもマイクロチップの特徴です。
獣医師の経験やスキルが必要
日本ではマイクロチップを使用する飼い主さんがまだまだ多くありません。
その為、獣医師も埋め込み処置の数をこなしておらず、手慣れている医師が少ないのが現状です。
もし埋め込んでも機能しなかった場合、また埋め込む必要がある為、簡単な施術とはいえ犬には負担となります。
場合によってはマイクロチップが外れることもある
一度埋め込んでしまえば、例えば首輪のように抜け落ちるなんてことはない、と安心するかもしれません。
しかし、不幸にも事故などでマイクロチップを埋め込んだ箇所を損傷することも考えられます。
損傷が原因でマイクロチップが体外へ出てしまうことも無いとはいえません。
読み取り機がない機関もある
マイクロチップによる犬の身元判別で迷子犬の殺処分を減らせるとしています。
しかし、チップを埋め込んでも肝心の読み取り機が無ければ意味がありません。
各都道府県にある警察署や保健所ではマイクロチップについての認識がまちまちな場合もあります。
普及率が高いとは言えず、まだまだ十分にマイクロチップが機能するしくみが整っていないのが現状です。
登録情報を更新しなければならない
飼い主が引越しをした、マイクロチップを埋め込んだ犬を誰かに譲った、犬が死んでしまったなど転機は訪れます。
こうなった時にAIPO(動物ID普及推進協議会)へ情報更新を行わないと十分に機能しないこともあります。
埋め込んだら後に安心して更新を怠る飼い主さんもいるので注意が必要です。
導入の際は費用だけでなく、メリットやデメリットもしっかり確認しよう
ということで、犬用マイクロチップの費用・価格から、メリットやデメリットまでご紹介しました。
数年前に登場したマイクロチップですが、当時はデメリットの一つに互換性がないということもありました。
つまり、マイクロチップと読み取り機のメーカーがマッチしていないと、せっかく埋め込んだのに機能しないという事態が起こっていたのです。
近年では互換性が保たれているので、そういった問題もなくなり、より使いやすくなっています。
日本ではまだあまり浸透していない為、デメリットが多いですが、海外では既に埋め込みの義務付け化が行われている国もあり、将来日本でも同様の扱いになる可能性もあります。
このまま広まっていけば、互換性の件のように現在のデメリットもどんどん解消されて行くことになるでしょう。
メリットもあればデメリットもあるマイクロチップ。
貴方にとっても愛犬にとってもベストな選択となるよう、導入の際は費用だけでなく、これらについてよく考えてから決めるようにしましょう。